墨描きの訪問着。存在する色は地色と裾の共濃ぼかしのみで、特定の花も描かれていない。例えば、柿朱色の帯を合わせれば墨色の木々が紅葉した景色に映り、若草色の帯を載せれば、新緑の蒼が目に飛び込んでくる。日本人の情緒を楽しむのにうってつけの一枚。 …
縞柄のお召し生地に描き絵をほどこした附け下げ。彩色は墨主体でわずかに藍色が足されている。山野草がメインのモチーフのため、季節を問わず着用できる。 …
五色に彩った笹をモチーフにした訪問着。肩から裾にかけて柄の大きさをグラデーションにし全体に流水を描くことで、きもの自体に流れを生んでいる。 …
種々の色に染め分けた遠山取りの訪問着。肩と裾を飾る百花には繧繝挿しが用いられ重厚感と、遠山に使われたパステル調の色彩の軽やかさが対照的な一着。 …
かえでを墨で表現した訪問着。藍鼠色のぼかしに見え隠れする無数の葉には、わずかに洗い朱と青磁の二色が使われている。これにより、春先でも秋でも着られる着物となっている。 …
薄物の生地に花菖蒲、藤、ふよう、萩などが描かれている。亜熱帯化しつつある日本の気候を考えると、帯で表情を変えながら5月~9月まで通しで着られる実は便利な着物。 …
薄物の生地に花菖蒲、鉄仙、小菊、桔梗などが描かれている。かつては6月と9月のふた月のみと出番の少なかった単衣の着物も、日本の気候変化により着用頻度が上昇。真夏の室内はエアコンが効いていることを考えれば、着用期は5月~9月と一年の半分近くになる。 …
橘の柄を豪華に付けた大振り袖。紅やピンク、黄色といった地色も目を引きますが個性を出すなら黒地も一役買いそう。友禅の美しさが濃い地に映え、箔加工は最小限にとどめている。 …
古典的な「松竹梅」柄でありながら独特な若松の表現や現代風の挿し色により、新鮮な印象にまとまった訪問着。地色も和名よりクリーム色と言った方がしっくりくる。 …
裂取りを隙間なく重ね合わせ、そのそれぞれに異なった柄が描かれた訪問着。中でも特徴的な鳳凰が目を引く。本来なら織物で表現されそうな柄であるが、型紙は一切用いず、全て手描きの糸目友禅で仕上げられている。 …